🐥short story3〜最悪な日のはずだったのに…

広いオフィスにキーボードを叩く音がカタカタと響く____

“今頃みんなは楽しく騒いでるんだろうな…”

なんて…たった今開催されている社内の飲み会の事を考えながらも

時間内に終わらなかった自分の仕事を一人で黙々と片付ける

今日の朝…寝坊をして人生で初めて遅刻をしてしまったから自業自得…

会社にはすぐに電話をしたからか酷く怒られたりはしなかったけど、慌ててオフィスに入った瞬間の上司の少し呆れた顔はさすがに胸に刺さった

自分が悪いのはわかってるけど…今日楽しみにしてたのにな…

みんなでワイワイするのが楽しみだったのもあるし

つい最近恋人と別れたばかりだったからお酒でも飲んでいろんなことを忘れたかったのに…

『はぁ…』

自然と溜息が溢れるけれどその溜息はキーボードの音にすぐにかき消されていった___

キーボードを打ちながらも別れた彼氏との今までの事を思い出してしまって

だんだん涙が滲んでくる…

信じてた相手に裏切られる事がこんなに苦しいなんて…

気づけば目からこぼれ落ちそうになった涙をそっと指で拭きとったその時_____

《ガチャ🚪______》

突然ドアが開いて

ひとりの人物が部屋に入って来た

○○『…?!』

びっくりしてドアの方に視線をやると__

🐥『…まだ居たんだ』

そこには同じ課の🐥さんが立っていた____

○○『……🐥さん…?』

自分以外会社にいないと思ってたからびっくりして🐥の顔を見ながら目を丸くする

○○『…飲み会に行ってたんじゃないんですか……?』

🐥『うん、ちょっと用があって』

○○『……そうなんですね』

彼とは時々話したりもするけど2人きりで話した事がなかったからすぐに会話が途切れてしまった

次に続く会話を探そうとするけれど上手く見つからず、またパソコンに目を移す

すると___

🐥『あー…その量だとまだ終わりそうにないね』

パソコンの横に山積みになった資料を見て唖然とした表情をしながらデスクの方へと歩いてくる🐥_____

そして彼が急に近くのチェアに座ってくるから

自然とキーボードを打とうとしていた手も止まる…

🐥『これ1人で終わらせようとしてんの?言ってくれたら手伝ったのに…』

そう言って手に取った資料をまじまじと見つめる🐥

○○『…自分のせいだから誰かに頼むのはなんだか悪いです。………それにあとちょっとなので大丈夫ですよ。』

🐥『ふーん、そっか…』

少しつまらなそうに返事をする🐥

今まで2人きりになった事が無かった相手と突然夜のオフィスて2人きりになって

不本意ながら少しだけドキドキしてしまう自分がいた___

○○『…🐥さんは何しに…

そう聞こうとした時…彼のシャツの襟に薄く口紅の跡らしきものが見えた

“あ…”

なんだか見てはいけないものを見てしまった気がしてすぐに目線を逸らす

彼は仕事も出来るし外見だっていい…性格も良くて社内ですごくモテてるのは誰でも知ってる

だから…飲み会で口紅がついてても特別驚く事じゃないんだと思う

きっと彼の事を狙う女性社員が酔っぱらって付けたのだろう…

🐥『ん?』

中途半端に途切れた言葉と、視線を逸らしたのを不思議と思ったのか🐥が○○の顔を少しだけ覗き込んでくる

その視線に耐えられなくて更に視線を逸らす…

○○『あの…襟に赤いの付いてますよ…?』

言いにくそうにそういうと、自分の襟に視線を移す🐥

🐥『ほんとだ!あ〜もー、………仕返ししてやらなきゃ』

…仕返し……

彼は襟にキスマークを付けられた相手に何を仕返しするのだろう…

もしかして同じように…?

さっき2人きりになっただけでドキドキしてしまった自分が急に恥ずかしくなる

○○『戻らないんですか?……🐥さん人気者だし、みんなが寂しがりますよ』

少しだけ冷たい口調でそう言い放つ

彼の方は見ずに、パソコンのキーボードを見たまま…

なぜ🐥さんがオフィスまで戻ってきたのかはわからないけど…

何か忘れ物を取りに来たそぶりもないし

資料を手に持ったまま近くのチェアに座る彼に対して

“用が終わったら戻ってくれないかな…”

なんて考え始めてしまう…

普段ならそんな事は思わないけど

今の自分には心の余裕が無かった…

プライベートでは恋人に浮気されるし

寝坊と遅刻もしてしまって会社に迷惑をかけて

行きたい飲み会にも参加し損ねて

挙げ句の果て仕事が終わらず1人キーボードを打つ惨めな姿を会社の人気者に見られて…

自己嫌悪に襲われて…

一人になりたかった…

ところが彼はその言葉がまるで聞こえてないかのように唐突な話をする

🐥『……ねぇ、彼氏と別れたって本当?』

○○『…!?』

今一番触れられたくない質問をされて

一瞬顔がこわばる…

○○『………その話…どこで聞いたんですか?』

🐥『さっき、みんなで飲んでる時に聞いたんだ』

○○『……そうなんですね…』

あー…なんで私がいない時にみんなでそんな話してるんだろ…

○○『………』

なにも言えなくなって視線を落とす○○を見て何か感じ取ったのか

🐥がさっきよりも少しだけ柔らかい声で話しかけてくる

🐥『ごめん…大丈夫……?』

○○『………』

優しい声でそんな事言われると涙が出そうになってくる

だけどぐっと堪えて返事をする

○○「…全然大丈夫です。もう全く気にしてないんで…」

🐥『……でもさっき泣いてた』

その言葉に一瞬視線が泳ぐ

…さっきの見られてたなんて…

○○『あの…あれは……』

浮気された相手に未練なんてないけど…

楽しかった思い出だけは本物だった気がして…少し思い出しちゃって涙が出ただけ___

🐥『やっぱりまだ好き?』

その言葉に首を横に振る

○○『好きとかはもう無いです。…別れた原因は浮気だから…もうありえないです』

その言葉を聞いて一瞬驚いた表情をする🐥

そして少し悲しそうな顔をしたかと思えば

🐥『……そっか……じゃあ…○○さんすごく辛かったね……』

…なんでそんな優しい言葉をくれるの…?

気持ちに寄り添った言葉とかもらっちゃったら…また泣きそうになる…

目を伏せたままほんの少しだけ唇をかみしめると

少しだけ二人だけの空間に沈黙が流れる___

だけど彼の優しい声がすぐに沈黙を破った

🐥『無理しないように少しずつでいいから、またいつもみたいな元気な○○さんをみせてよ。また辛いの思い出したら俺が忘れさせてあげるし、いろいろうまくいかなくて大変な時はいつでも頼って』

弱ってる時にそんな笑顔でそんな甘いセリフ言わないでよ…

ドキッとしてしまうし

何かあった時…本物に頼ってしまいそう___

○○『…あの……』

何と言葉を返したらいいのか迷っていると

何やら廊下の方が騒がしくなってきた

🐯『えー?本当にオフィスにいるんですか?』

🐻『ぜっっったいいる!だって会社の鍵俺に貸してっていって帰ったもん』

🐯『居なかったら2次会は🐻さんの奢りですよー?』

🐹『それ良いね〜』

🐭『🐻が調子に乗ってキスマークなんかこっそりつけるから、それに気がついて怒って帰ったんじゃねぇの?』

🐨『それはあるかもな。あんなの知らない間につけられたら怒りが込み上げてきそう』

🐰『俺は他の理由があって帰ったんだとおもいますけど。…もう次のお店に行きましょうよ』

🐹『え?他の理由?』

🐰『……だって飲み会の間終始気にしてたじゃないですか、○○さ

🦄『しっ!みんな静かに』

🦄の一言でさっきまで騒がしかった廊下が一瞬にして静かになる

そして…

ゆっくりオフィスのドアが開いて、数㎝開いた所でピタッとそのドアの動きが止まるのが見えた

🐥はすぐにチェアから立ち上がってドアの方まで行くと、そのドアを勢いよく開けた

《ガチャ!!🚪》_____

🐻🐯🐹『うわぁ!!!!』

こっそり中を覗こうとしていた3人が体制を崩して崩れ落ちる

そしてそれを気まずそうに見つめる🐭🐨🦄🐰

🐥『もーなんでみんなで探しにきちゃったんですか?!俺帰るっていったじゃないですか』

自分を探しにきた彼らを見ながら🐥が少し機嫌悪そうにそう言い放った

🐻『…なんだよ!お前が急にいなくなるから心配してきたんだろ〜?』

🐥『………今回はそういうのは頼んでないです』

🐯『冷たい事言うなよ〜』

🐥『だって今は…』

小さく呟いた🐥にすかさず🐰が近づいていって耳打ちをした

🐰『…後は俺がどうにかするんで頑張ってください』

🐥『…頑張ってって……』

🐰『ずっと好きだったの俺知ってます』

🐥『!』

コソコソと話す2人を横目に中に入ろうとする🐯と🐻を🐰は片手で制止すると、そのままその場から離れるようにみんなを誘導した

🐹『え?何何?🐥を迎えにきたんじゃないの?』

🐰『…今日は僕が奢るんで帰りましょうよ』

🐯『え?奢ってくれるの??🐰が?マンネなのに??』

🐭『珍しいな』

その様子を遠くからキョトンとした表情で○○が見つめていると、ドアから一番離れた所にいた🐨さんとほんの少しの隙間から目があった___

🐨『!』

“あ……🐨さんびっくりした表情してる…?もしかしてみんな私の事気付いてないのかな…?”

そう思ってみんなに声をかけようとチェアから立ち上がろうとすると

🐨『よ、よし!みんな帰ろう!うん!🐥にも1人になりたい時くらいあるさ!ハハハハハ!』

🐨さんが少々オーバーな小芝居を始めた

🐭『ん?どした?』

🐨『俺も奢るから、さあ次のお店に行こう!』

🐻『なんかよくわかんないけど、奢ってくれるんなら帰ります!』

🐯『え?🐥は??行かなくていいの?』

🐥『…あ…うん…今はちょっと』

🐯『そうなの?』

まだ心配そうにしている🐯の腕を🐰が引っ張ると、先を行く🐨と🐻に続くように🐯達を誘導した

🐹『じゃあ俺たちはお店に行くから、また来たくなったらいつでも連絡して』

🐥『はい、ありがとうございます』

🦄『じゃあな』

🐥『はい…!』

それからしばらくは廊下は騒がしかったけれど、少しするとまた元のように静かになった

7人の後ろ姿を見送りおわった🐥がゆっくり振り返ると

🐥『…よし!一緒に残った仕事終わらせて、みんなのところに行こっか』

その言葉に、彼が自分のために戻ってきてくれた事に気づく

○○『あの………もしかして用って…』

🐥『○○さんすごく楽しみにしてたじゃん、早く参加したいと思って手伝いに来たんだよ』

○○『…ぇ……』

🐥『それとも、終わったら俺と2人だけで飲む?』

冗談のつもりで言ったのか“なんちゃって”なんて言いながらふにゃっと笑う🐥に…

○○『………2人だけがいいです。🐥さんと』

そう小さく言葉を溢すと

🐥『そうだよねやっぱりみんなと…………え!?』

そう言って驚いた表情を見せる彼に、

○○は恥ずかしそうに笑顔を見せた___

“これから先もしかしたら…

彼にたくさん頼ってしまうかも__”

一瞬そんな事を思った__

********

それから数ヶ月後

とびきり優しくて大切にしてくれる彼氏が出来ました…💜

end

投稿者: banta-story

はじめまして。 この小説はBTSとは関係のないBTXというグループとの恋愛小説ですが、彼らの事も好きになってくれたら嬉しいです♡ どうぞよろしくお願いします♪

「🐥short story3〜最悪な日のはずだったのに…」への2件のフィードバック

  1. わぁ〜!更新ありがとうございます!💜😂
    丸メガネの🐤ちゃん大好きです!
    最後の幸せそうな写真で完全にやられました
    これからも無理なく頑張ってください💜

  2. 胸きゅんです!
    更新ありがとうございます✨
    完全に🐤にやられました←

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