🐯story3〜トップアーティストへのメイク

……《ガチャ》🚪

メンバー達がドアを開けて入ってくると、一瞬にしてメイク室の空気が変わるのがわかる。

ぞろぞろ入ってくるメンバーたち。

みんなとても眠たそうに、ボサボサの髪の毛で入ってきたり、開いているのかわからないくらいぼんやりした目で入ってきたり、目が見えないくらい帽子を深くかぶって入ってきたのに、トップアーティストのオーラが溢れている。

「おはようございます!」

とスタッフ達が挨拶をすると、

「おはよう…」

メンバーたちも眠たそうに目をこすりながら声も寝起きの声だけど挨拶を返してくれる。

○○「おはようございます」

○○も他のスタッフ達と同じように挨拶をする。

(寝起きですっぴんなのにみんなオーラがすごい……)

メンバー達はメイク室に入ると各々携帯を触ったり、椅子に座ったり、仲良く話をしたりしている。

ソファでまた寝始めるメンバーもいる。

彼らはとてもリラックスしているようだった。

自分の担当する席をふと見ると、もうあるメンバーが座っていた_____

最年少の🐰だった。

🐰はメンバーの中では一番年下で、可愛らしい顔立ちをしていながらも身体能力やダンスの能力や歌唱力も高く、才能に溢れる人物だ。

○○は慌てて近くまで行って、彼に挨拶をする

○○「おはようございます、今日担当させて頂く○○です。よろしくお願いします。」

緊張して笑顔は全く出来なかったけれど、なんとか挨拶ができた。

🐰「よろしくお願いします」

彼はそういうと、子犬のような目で○○の瞳をジッと見た。

何秒見つめられただろうか、その視線に耐えきれずに目を逸らしてしまったけれど、彼は何事もなかったかのように携帯を触りはじめた。

(今私感じ悪かったかな、でもあまり気にしてないみたいだし…よし、メイクに取り掛かろう)

○○「メイクをはじめますので、前髪失礼しますね」

そう言葉かけして、前髪をヘアクリップで留めていく。

途中少し手が震えながらも、準備を進めていく。

○○「今日のアイメイクはこんなのにしたいとかはありますか?」

🐰「……。今日は特に無いから、メイクさんに任せます」

今回は特に無いようだったけれど、こんな風にアーティストさんの好みも探りながらメイクを進めていくことがとても大事。

○○「わかりました。では、撮影のテーマが少し暗いかんじなので、それに沿っていきますね。」

(すごく綺麗な二重…アイラインはあまり主張しすぎないように、アイシャドウだけで大きな瞳を生かしたメイクにしよう)

(鼻もとてもきれいだから、ノーズシャドウはほとんどしない方が自然かも。)

(眉は……)

(リップは……)

いろいろと考えながらも、無事🐰のメイクが終わった。

途中で何度か🐰と目が合って、そのたびに緊張したけれど、メイクをするのが楽しくてなんとか集中して仕事を終えられた。

○○「メイクが終わったので、次は髪の毛をしていきますね」

そういってヘアセットをしようとすると、あるメンバーが🐰にちょっかいを出しにきた。

🐥だった______

🐥「🐰!この緑のエクステかっこよくない?お前つけてみてよ」

🐰「………嫌です」

🐥「ここの襟足に1本。ほら、いいかんじだろ?」

🐥は一生懸命自分の襟足に緑のエクステを付けてお手本を見せる。

🐥の愛のあるコミニュケーションに、若干嫌そうにしながらも徐々に笑顔になる🐰

🐰「……1本だけ長すぎですって」

🐥と🐰のやりとりに、微笑ましいなと思いながらも、今の自分には余裕が全くないのでただ呆然とクシを持ったまま立ち尽くす。

微笑ましくて心の中ではクスクスわらっているけれど、1mmも顔には出ない。

🐥「似合うと思ったのになーじゃあ🐯につけてもらおうかな」

笑いながら🐥は辺りをキョロキョロ見回す。

🐰「🐯さんならつけてくれるかも知れないですね」

🐥「うん、つけてくれそう。でもちょっと見当たらないから探してくるわ」

そう言って🐯を探しに行く🐥の後ろ姿を見ながら、🐰は微笑んでいる。

(本当に仲が良いんだなー、仲が良いからこそチームの結束力あるんだろうな…)

そんな事を思いながら、🐰のヘアセットも完了した。

一仕事無事終えて、ホッとすると、今度はまた他のメンバーが🐰に話しかけにきた

🦄と🐹だった。

🦄「あれ?なんか今日いつもより髪型かっこいいね!」

🐹「あ、本当だ!髪の流れが完璧だな」

🦄「もしかしていつもとワックスが違う……?」

🦄がそう言うと○○が片付けようとして手に持っているワックスに3人の視線が集中した

○○「……」

(え、このワックスのことだよね……)

少しの間沈黙が流れる…

その沈黙を遮るように🦄が明るい声で話し始めた

🦄「ほら、ワックスが違うんだとおもったよ!あの種類のワックスはうちのメイク室に置いてあるの見たことないから」

🐹「俺もメイクさんにワックスの種類変えてもらおうかなー…いつも前髪がすぐにおりてくるんだよ」

🦄「🐰良かったな、ちゃんとお前の髪の質をわかってる上手いメイクさんに担当してもらって」

仕事でいっぱいいっぱいなうえに、急に自分の事を言われて、どう反応していいのかわからなくなり、手にワックスを握りしめたまま、キョトンとしてしまう

🐰が○○のほうを少し見た後、気を遣ったのか🦄の言葉に対してコクンと小さく頷く。

○○「…………」

(どうしよう、何か反応したほうがいいのかな…!)

🐹「そういえば、🦄の髪の色もいい感じだな」

🦄「本当ですか?」

🐰「今回結構明るくしたんですね」

なにも反応の無い○○に特に触れる事なく3人はワイワイと仲良さげに髪型の話を続けている

なんだかメンバー達に気を遣わせてしまったようで申し訳無かったし、自分のコミュニケーション能力の低さに情けなくなった。

私が少し肩を落としていると、ソファのほうから視線を感じた。

🐭と🐨と🐻だった。

3人は今まで見たのことの無いメイクさんに気づいたのか、目のあった○○に軽く会釈をしてくれた。

○○もすかさず失礼のないように会釈をした。

(今度はちゃんと反応できて良かった…やっぱりこんなにスタッフがいる中でも、見かけない人がいるとわかるもんなんだな…)

そんな事を思いながら撮影現場のメイク道具の準備も任されていたので部屋の出口の方まで向かう。

遠くでは「○○さんメイク道具一式もってきてね!」という先輩メイクさんの声もしていたみたいだけど、とても焦っていたせいで聞こえていなくて、そのまま何も持たずに部屋を出ようとしていた…

すると

🐨「これ多分忘れてるとおもうんだけど」

そういって、🐨がメイク道具一式を持って来てくれた。

○○「あ………ごめんなさい!」

深々とお辞儀をして、🐨からメイク道具を受け取ると向こうのほうで先輩のメイクさんが呼んでいたので、急いで部屋から出た。

焦って少しぶっきらぼうな態度を取ってしまったので、他の部屋に向かう途中、いろいろと考えてしまう。

(すごく親切にしてくれたのに、私って本当にダメだ…ちゃんとお礼も言えなかったし、失礼な態度ばっかりとっちゃってる気がする…こんな時自然な態度がとれる人が羨ましい…)

○○は昔から人見知りで、初めて会う人にはぶっきらぼうになってしまう為、初対面の印象は最悪だった。

(こんな大事な日くらい、上手く出来たらいいのに…)

そんな事を考えて、落ち込んでしまう。

投稿者: banta-story

はじめまして。 この小説はBTSとは関係のないBTXというグループとの恋愛小説ですが、彼らの事も好きになってくれたら嬉しいです♡ どうぞよろしくお願いします♪

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